防根シートと防草シートってどう違う?防草シートで代用できる?
竹や笹の根を防ぐには「防根シート」を使うといい! とか 草花や野菜の根の制御には「防根シート」!とネットで説明されているけど、「防根シート」とは一体どんなものなの?本当に竹の根も防ぐことが出来るの?防根シートと防草シートはどう違うの?防草シートで代用できるの?
今回は、そんな疑問やお悩みを解消するため、防根シートの種類・用途・価格や使い方まで詳しく解説致します。
目次
1.防根シートとは?
防根シートとは、植物の「根」を防ぐシートで、読み方は「ぼうこんシート」と言います。
防根シートを使用することで、竹や笹・街路樹などの大きい木から草花・野菜の根が広がる範囲を制御することが出来ます。
防根シートのタイプは大きく分けて2種類あります。
≪根を物理的に抑えるタイプ≫
密度の高い不織布シートやプラスチックをシート状に成型したもので、植物の根を物理的に遮断します。
厚みは約0.4mm~1mmぐらいの薄くて硬いシートが主流。
土中での使用は、
最大の劣化要因である紫外線が当たらないため、耐用年数が半永久的と優れものです。
価格は安く、
薬剤は一切含まれていないため、植物の生育を阻害する危険性は全くありません。
業者さんでなくても個人の方でも手軽にご利用いただけます。
≪根を化学的に抑えるタイプ≫
植物の根の成長を阻害する薬剤を付けた柔らかい不織布のシートで、長期間じわじわと薬剤が溶出し化学的に植物の根を遮断します。
現場の温度によって薬剤の溶出期間が異なりますが、30~50年ほど耐用年数があります。
厚みは約6mmと分厚く、価格が非常に高いです。主に公共工事や専門業者さんが利用されます。
本ページでは、一般的によく使用される薬剤の含まれていない物理的に抑えるタイプの防根シートについてご説明致します。
2.防根シートと防草シートの違い
「防草シート」はホームセンターでも沢山売られていますが、「防根シート」はほとんど売られていません。
「防根シート」と「防草シート」名前はよく似ているけど、「防草シート」で代用が出来るのでしょうか?
まずは、「防草シート」と「防根シート」の違いについて説明した後に防草シートでの代用について説明致します。
≪防草シートとは?≫
雑草の成長には、「空気」「光」「水」の3つが必要です。
防草シートは、基本的にこの要素の「光」を遮断することで雑草の光合成を抑止し、雑草を枯死させます。
その他、「水」を遮断して雑草を枯らす遮水性の防草シートもございます。
このように、防草シートは植物を枯らすことを目的とした商品なのに対し、防根シートは植物の根を遮断し、伸長方向をコントロールすることを目的とした商品になります。
また、防草シートの構造は、織布と不織布の2タイプがあり、不織布タイプは製造方法によってニードルパンチとスパンボンドの2種類に分類されます。
織物の防草シート | 不織布の防草シート | |
ニードルパンチ | スパンボンド | |
縦糸・横糸の隙間があり柔らかい | 隙間が大きく柔らかい(低密度) | 隙間が小さく硬い(高密度) |
防根機能なし | 防根機能なし | 防根機能あり |
織物の 防草シート |
不織布の防草シート | |
ニードル パンチ |
スパン ボンド |
|
縦糸・横糸の 隙間があり 柔らかい |
隙間が大きく 柔らかい (低密度) |
隙間が小さく 硬い (高密度) |
防根機能なし | 防根機能なし | 防根機能あり |
中でも、防根シートに一番近いのが不織布タイプのスパンボンド防草シート。
この防草シートは、雑草の芽を抑える防草機能の他に、雑草の根を抑える防根機能が備わっています。
これは、植物の根を物理的に抑えるタイプの「防根シート」と同じ機能なんです。
防草シートには様々な種類がありますが、防根機能のある防草シート(不織布タイプの高密度スパンボンド)であれば防根シートの代用ができます。
防根したい植物が強力な根を持つ竹や樹木なのか、柔らかい根の草花や野菜なのかその種類によって、防草シートを選ぶ必要があります。
防根機能のある防草シートでも、草花や野菜の根は抑えられても竹や樹木などの強力な根を防げない防草シートがございます。
防根の適応植物をしっかり確認してくださいね。
防草シートについては、別途詳しく解説しております。詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
3.防根シートの種類・用途・価格
◆ネットで人気の防根シート価格比較
楽天で販売されている防根シートを比較してみました。
品名 | RCF防根・防竹シート | ルートブロック ( 防根・防竹シート) |
ルートストッパー Ver.3 (竹用根茎調整材) |
シート 拡大 |
|||
メーカー | グリーンフィールド | 小泉製麻 | 谷口産業 |
適応用途 | 竹・樹木・笹・屋上緑化 | 竹・樹木用 | 竹 |
透水性 | なし | なし | なし |
材 質 | ポリプロピレン | ポリエチレン | ポリエチレン |
厚 み | 0.69mm | 1mm | 0.88mm |
規 格 | 1×20m | 1×10m | 0.9×20m |
税込価格 | 47,520円 | 21,500円 | 48,048円 |
※価格は2021年9月調査価格です。
品名 | RCF防根・防竹シート | ルートブロック ( 防根・防竹シート) |
ルートストッパー Ver.3 (竹用根茎調整材) |
シート 拡大 |
|||
メーカー | グリーン フィールド |
小泉製麻 | 谷口産業 |
適応用途 | 竹・樹木・笹・屋上緑化 | 竹・樹木用 | 竹 |
透水性 | なし | なし | なし |
材質 | ポリプロピレン | ポリエチレン | ポリエチレン |
厚み | 0.69mm | 1mm | 0.88mm |
規格 | 1×20m | 1×10m | 0.9×20m |
税込 価格 |
47,520円 | 21,500円 | 48,048円 |
※価格は2021年9月調査価格です。
◆防根シートの代用に!おすすめ防草シート
防草機能の他に、防根機能もついた防草・防根シートです。
品名 | 砂利下専用草なしシート | 砂利下専用草なしシート (強力タイプ) |
シート 拡大 |
||
メーカー | 白崎コーポレーション | 白崎コーポレーション |
適応用途 | 草花、野菜など | 竹、樹木 |
透水性 | あり | あり |
厚 み | 約0.4mm | 約0.6mm |
規 格 | 1×25m | 1×25m |
税込価格 | 11,550円 | 18,425円 |
※価格は2023年3月1日現在の価格です。
品名 | 砂利下専用草なしシート | 砂利下専用草なしシート (強力タイプ) |
シート 拡大 |
||
メーカー | 白崎コーポレーション | 白崎コーポレーション |
適応用途 | 草花、野菜など | 竹、樹木 |
透水性 | あり | あり |
厚 み | 約0.4mm | 約0.6mm |
規 格 | 1×25m | 1×25m |
税込価格 | 11,550円 | 18,425円 |
※価格は2023年3月1日現在の価格です。
※地表面にむき出しの状態で使用する場合の耐用年数は約5年ですが、土中への施工は、耐用年数が半永久です!
◆無料でお届け!防草シートサンプル・カタログ
当店では、無料サンプルをご用意しております。実際に目で見て触れて、納得してから決めてくださいネ。
◆防根シートに必須の補助資材とは?
1枚モノのシートで十分な小さい現場には関係ないですが、大きな現場では複数の防根シートをつないで施工します。
防根シートの継ぎ目に
「粘着テープ」を貼り付けて隙間をなくすことで、継ぎ目から植物の根が侵入するのを防ぐことが出来ます。
接着強度が強く、植物の根が貫通することもありません。
粘着テープ | 継ぎ目の処理 |
粘着テープ | 継ぎ目の処理 |
※防根シートが濡れていたり土埃が付着していたりすると接着力が落ちるので、シートが乾いている状態で、土埃をよく払ってから施工しましょう。
4.施工方法
防根シートの施工方法は、防ぎたい植物や用途に応じて異なります。
防根シートを地面に対し
垂直に施工する場合と、平面に敷く場合があります。
(1)竹の侵入を防ぐ(垂直施工)
竹藪から宅地に竹が侵入してくるのを防ぎたい、庭に植えた景観用の竹が他の場所に生えてくるのを防ぎたい。
そんな場合は、防根シートを
垂直にして土中へ埋め込みます。
①根の深さにあわせて穴を掘る(深くて1mまで)
竹の根や地下茎は、大半が地表から約50cmぐらいまでの深さで張り巡らされています。
現場環境によっては70~80cmぐらいまで達する場合もあります。 |
竹の根や地下茎は、大半が地表から約50cmぐらいまでの深さで張り巡らされています。
現場環境によっては70~80cmぐらいまで達する場合もあります。
(1)竹の侵入を防ぐ(垂直施工)
竹藪から宅地に竹が侵入してくるのを防ぎたい、庭に植えた景観用の竹が他の場所に生えてくるのを防ぎたい。
そんな場合は、防根シートを
垂直にして土中へ埋め込みます。
②シートを垂直に設置する
シートの幅は、根の深さよりも長いものにしましょう。
シートが倒れてこないよう支柱などで支えながら設置します。
地上部にシートを
10cm程度出して設置しましょう。
③シートの継ぎ目処理
シートの継ぎ目は重ねを10cm以上とりましょう
継ぎ目から根が侵入しないよう粘着テープを貼り、隙間のないようしかり圧着します。
粘着テープは、継ぎ目がある部分両面とも貼りましょう。
④土を埋め戻しながら踏み固めて完成!
竹の侵入防止におすすめ!
1m×25m規格で 価格18,425円(税込) |
(2)草花・野菜の侵入を防ぐ(垂直施工)
庭の芝生や笹が他の場所に侵入してくるのを防ぎたい、野菜の生えている区画を分けたい。
そんな場合も防根シートを垂直にして土中に埋め込みます。
竹と違い、草花の根は30cmぐらいまでの深さが生育範囲です。
50cm程度の深さで土を掘り、(1)の竹の侵入を防ぐ方法と同じように防根シートを垂直に施工してから土を埋め戻しましょう。
草花や野菜の侵入防止におすすめ!
1m×25m規格で 価格11,550円(税込) |
(3)屋上緑化や根域制御栽培(平面施工)
平面に防根シートを敷いてから軽量土壌や培養土を入れて植物を植えます。
垂直施工同様に防根シートの継ぎ目はシートの
重ねを10cm以上設け、重ね部には粘着テープをしっかりと貼り付けます。
防根シートがあるため、土壌を分離することが出来、植物の生育範囲を制御して育てることが出来ます。
屋上緑化の場合は、植物の根が排水溝や排水穴などに入り込んで排水管が詰まるのを防ぐことも出来ます。
屋上緑化・根域制御栽培に!
2m×25m規格で 価格36,850円(税込) |
5.防根効果が一目でわかる事例
◆竹の防根事例 [使用シート:砂利下専用草なしシート(強力タイプ)]
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施工後 | 施工2年後シート撤去した断面の様子 |
施工後
↓
施工2年後シート撤去した断面の様子
防根シートを撤去すると、地下茎が防根シートの側面に突き当たり、側面に沿って横方向へと伸長する向きを変えている様子が分かります。
◆樹木の事例 [使用シート:砂利下専用草なしシート(強力タイプ)]
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施工4年後 | 防根シート撤去後の断面の様子 |
施工4年後、街路樹周りを掘削し防根効果を確認した時の様子です。
防根シートを埋め込んだ部分では、樹木の根が防根シートを突き破ることなくしっかり防いでいることが分かります。
また、防根シートが埋め込まれていない部分(深さ60cm以上)の部分まで来て初めて横方向に根を伸ばしています。
防根シートを撤去すると、根は防根シートの側面にあたりシートに沿って横や下に伸長方向を変えて伸ばしていました。
施工4年後
↓
防根シート撤去後の断面の様子
施工4年後、街路樹周りを掘削し防根効果を確認した時の様子です。
防根シートを埋め込んだ部分では、樹木の根が防根シートを突き破ることなくしっかり防いでいることが分かります。
また、防根シートが埋め込まれていない部分(深さ60cm以上)の部分まで来て初めて横方向に根を伸ばしています。
防根シートを撤去すると、根は防根シートの側面にあたりシートに沿って横や下に伸長方向を変えて伸ばしていました。
◆防根機能が一目でわかる動画
防草シートの上にブロックを放置し、ブロックと防草シートの隙間で雑草が生育したもの。
防根機能がある防草シートは、雑草の根が突き抜けることなく綺麗に剥ぎ取れます。
◆お客様の声
(東京都にお住いのななしさん)
畑の面積は小さく、みょうが、ホウレンソウなど趣味で作っています。
みょうがの根がホウレンソウに侵入して困っていました。
防草シートの使用方法から考えると違うと思いますが、シートを30cm×30cmに切って、シートとシートはホッチキスでくっつけて土の中に埋めみょうがとホウレンソウのしきりに使用してます。大変便利と喜んでいます。
6.まとめ
防根シートは防草シートで代用できることがお分かりいただけたでしょうか?
防草シートは織布や不織布などと様々な種類がありますが、防根機能のある防草シートを用途にあわせて選でば代用できるんです!
防根専用のシートよりも、防根機能付きの防草シートの方がお値段が安くてオススメですよ。
防根シートをご検討中の方は是非防根機能付きの防草シートもご検討くださいね。