丈夫で育てやすいグランドカバーおすすめ10選|選び方とお手入れ簡単な育て方
庭やアプローチを彩るグランドカバーは、雑草を抑えながら緑あふれる空間を作ってくれるガーデニングの強い味方。
丈夫で育てやすい植物を選べば、初心者でも手間なく美しい庭を楽しめます!
この記事では、グランドカバーの魅力や選び方のコツ、おすすめの10種類を詳しくご紹介。育て方やお手入れの簡単なポイントも解説いたしますので、誰でも気軽に始められるヒントが満載です。
さあ、あなたの庭にぴったりのグランドカバーを見つけましょう!
グランドカバーとは
まずは、グランドカバーとはそもそも何か、そしてその魅力についてご説明致します。
グランドカバーの魅力

グランドカバーとは、地面を均一に覆い隙間を埋める植物の総称です。
グランドカバープランツや地被植物とも呼ばれ、芝生、ハーブ、常緑性植物などさまざまなタイプがあり、お庭全体の美観を向上させるとともに雑草の発生を抑制する効果があります。
グランドカバーは、土壌の露出を防ぎ水分の蒸発を抑えることで、温度低下効果や湿度の調整にも貢献します。
特に雑草抑制効果が高く、定期的な手入れの負担を軽減できる点が大きな魅力です。
グランドカバーを選ぶ際のポイント
次に、グランドカバーを選ぶ際のポイントについて簡単に触れていきます。
グランドカバーを選定する際には、まず日照条件を確認することが大切です。
日向・日陰・半日陰それぞれに適した品種が存在するため、お庭の環境に合ったものを選ぶ必要があります。
また、手入れの難しさや成長スピードも考慮するポイントです。
特に管理の手間とデザイン性のバランスをよく見極めることが、失敗を防ぐ秘訣となります。
- 日照条件:お庭の日当たりや日陰の部分に合わせた植物を選びましょう!
- 手入れ難易度:定期的な刈込みや水やりをどの程度管理できるかを考慮しましょう!
- 花色や草丈:お庭の雰囲気にマッチする色合いや形状を選びましょう!
- 常緑や多年草:雑草抑制が目的の場合は、落葉しない常緑タイプで多年草を選びましょう!
おすすめグランドカバー10選
続いて、丈夫で育てやすいグランドカバーのおすすめ10選について具体的にご紹介いたします。
以下の各項目では品種それぞれの特徴と育て方のポイントをまとめています。
四季咲きナデシコ

四季咲きナデシコ(かほり)

葉が密生し円形に広がる
四季咲きなでしこは草丈が15㎝程の常緑・多年草のグランドカバーです。花は3~11月まで次々咲いて長く楽しめます。
中でも品種登録されている「かほり」は一重の可憐な花で、春と秋のピーク時が最も美しく香りも楽しめます。
葉はかなり密生しながら円形に広がり、雑草の侵入も極めて低いです。耐寒・耐暑・耐雨・耐病性を兼ね備えた非常に丈夫で育てやすい品種です。
梅雨や夏の蒸れによる生育不良もほとんどありません。価格は1株300~600円程です。
芝桜

葉が見えなくなるほどの花

常緑でほぼ年中緑
芝桜は、草丈10㎝程の常緑・多年草のグランドカバーです。様々な品種があり色々な花色を楽しめます。
中でもダニエルクッションは花が最も大きく、満開時は一面ピンクの絨毯のようになりますが、開花時期は4~5月で、花が楽しめるのは約1ヶ月と短めです。
日向で水はけのよい場所を好み、一度根付けば水やりや肥料はほとんどいらず、大変丈夫です。
ただし、梅雨や夏の高温多湿に弱いので、花が終わったら刈り込みにより風通しを良くすることで美しい状態を保てます。
価格は1株100~300円と安価で入手しやすく人気の理由の1つです。
タイムロンギガウリス

毬のような花

細かい葉が密生
タイムロンギガウリスは、草丈10㎝程で這うように育つハーブの一種です。
常緑・多年草で、2㎝程の毬のようなピンクの花を咲かせる人気のグランドカバーです。
開花時期は5~6月頃で、期間は芝桜よりも若干長めです。葉は細かく密生して生え、触ると爽やかな香りも楽しめます。
日当たりと水はけの良い場所を好みます。耐寒性・耐暑性があり非常に丈夫で育てやすいです。
夏の高温多湿で蒸れることがあるので、花が終わったら刈り込みましょう。価格は1株300~600円程です。
宿根ガザニア

華やかな大型の花

春の芽吹き
宿根ガザニアは、草丈10~20cm程の常緑・多年草のグランドカバーです。
花は黄色で、5~6㎝程の大きな菊のような形。開花期間は5〜10月と長く楽しめ、非常に華やかで見ごたえがあります。
暑さと乾燥に強いが、多湿に弱いです。冬に地上部が枯れる場合がありますが、根は生きているため春に再び芽吹きます。
花がひと段落する秋ごろ伸びすぎた茎などを刈り込むと株の形が整い、春の芽吹きもよくなります。価格は1株300~600円程です。
耐寒マツバギク

開花状況

乾燥に強い多肉質の葉
耐寒マツバギクは草丈5~10㎝程の常緑・多年草です。乾燥に非常に強く、潮風にも耐性があります。
花は3~4㎝程の赤紫の菊のような花を咲かせます。開花期間は6~8月と長めです。
葉は、多肉質で寒い地域では落葉する場合がありますが、春になると新たに芽吹き復活します。
生育スピードは速いですが、梅雨や夏の高温多湿、病気に非常に弱く、地面を全て覆ってしまうと3~4年で衰退する傾向があります。
価格は1株あたり100円~300円と安価で入手しやすいです。
防草シートとの併用はおすすめしません。
ヒメイワダレソウ

小さな白い花をまばらに咲かす

地面にへばりつくように広がる
ヒメイワダレソウは、草丈5〜10cmと低めの落葉・多年草のグランドカバーです。
1㎝程の小さな白い花を咲かせ、開花期間は6~9月と長く楽しめます。
葉は細かく密に地面にへばりつくように広がっていきます。
乾燥や暑さ、踏圧にも強く、非常に丈夫です。匍匐茎、根、種子でも繁殖できます。
また、生育スピードは非常に速く、防草シートを併用すれば1平米あたり1株(植栽間隔が1m)でも十分地面を覆うことが出来ます。冬場は、葉が落葉し茎だけになりますが、春になると茎から無数の芽を出し再生します。価格は1株100~200円と安価です。
※ヒメイワダレソウは繁殖力が非常に強く、種子でも繁殖するため広範囲に広がる可能性があります。
在来種の生育を脅かす可能性があることから重点対策外来種に指定されています。
そこで、種子繁殖できないよう改良された品種がクラピアです。価格は300~500円と少々高めですが、適切な管理が困難な方にはクラピアがおすすめです。
エリゲロン(カルビンスキアヌス)

花色の変化が楽しめる

葉が密に重なった様子
エリゲロンの品種でカルビンスキアヌスは、草丈20~30㎝程の落葉・多年草です。
耐寒性・耐暑性があり、日当たりから半日陰まで柔軟に育ちます。
2㎝程の菊のような花で、5~11月と非常に長い間花を咲かせます。白色から桃色へと花色の変化も楽しめます。
葉は、幾重にも重なりこんもりと成長します。
冬場は地上部が枯れますが、晩秋に地上部を刈り込むと春の芽吹きが良くなります。価格は1株300~600円程です。
ツルニチニチソウ

斑入りの品種は葉色も楽しめる

伸びたツルが芝桜の中に侵入
ツルニチニチソウはビンカマジョールとも呼ばれ、草丈15~30㎝程で這うように広がる半常緑・多年草のツル性グランドカバーです。
4~6月頃に3~5㎝程の紫色の花を咲かせます。葉は3~4㎝と大きめで、常緑ですが、寒冷地では落葉することがあります。
斑入りの品種は、葉に白い斑が入っているので、明るい印象になり葉も楽しむことが出来ます。
日陰や半日陰でも育つ適応力の高さが魅力です。ツルを伸ばしながら、色々な所へ侵入するため、仕切りなどで区画を分けるのがおすすめ。価格は1株300~600円程ですが、斑入りの品種は400~800円と少々高めです。
ヒメツルソバ

秋の紅葉

こぼれ種で繁殖
ヒメツルソバは、草丈約5~15㎝の落葉性宿根草です。生育スピードが非常に早く短期間で地面を覆います。
花は1㎝程、薄桃色の小さなボール状です。開花期間が5~12月と非常に長く花を楽しめます。葉にはV字の模様があり、秋になると赤く紅葉し非常に美しいです。
日向から半日蔭まで適応でき、こぼれ種でも増える非常に繁殖力の強いグランドカバーです。
繁殖力が旺盛なので広がりすぎないよう区画を分けるなどの工夫が必要です。価格は1株300~600円程です。
アジュガ

細長く高さのある花

放射状に伸びる匍匐茎
アジュガは、草丈5~20㎝程で特に日陰に適した常緑・多年草のグランドカバーです。
4~5月に高さ10㎝程の紫色の花を咲かせます。葉は2~3㎝程で、濃い緑色です。
匍匐茎をのばし、先々で根を下ろしながら増えます。
寒冷地では冬に地上部が枯れる場合がありますが、根は生きているので春になると再び芽吹きます。価格は1株300~600円程です。
防草シートとの併用はおすすめしません。
グランドカバー比較表
ここまで紹介してきたおすすめグランドカバー10種の主な特徴を比較しました。
各品種の育てやすさや注意点を把握する際の参考にしてください。
名称 | 生育環境 | 管理の難易度 | 特徴と注意点 |
---|---|---|---|
四季咲きナデシコ(かほり) | 日向 | 低 | 非常に丈夫で育てやすく、年中花を楽しめます。 |
芝桜 | 日向 | 低 | 葉を隠すほど花が密に咲くので満開時の見ごたえ十分。ただし、花を楽しめる期間が短い。蒸れに弱いので刈り込みが必要。 |
タイムロンギガウリス | 日向 | 低 | ハーブ系の香りと毬のようなピンクの花が特徴的。生育スピードは速く育てやすい。 |
宿根ガザニア | 日向 | 中 | 鮮やかな大輪の花が見ごたえあり。冬場は地上部が乱れやすい。 |
耐寒マツバギク | 日向 | 低 | 乾燥に大変強く、花が長く楽しめる。蒸れや病気に弱い。防草シートとの相性は良くない。 |
ヒメイワダレソウ | 日向 | 低 | 生育スピードが速く、踏み圧に強い。非常に繁殖力が強いので区画の工夫が必要。 |
エリゲロン(カルビンスキアヌス) | 日向、半日蔭 | 低 | 開花期間が非常に長く、花色の変化が楽しめる。地上部が密で冬場に枯れて残るので、見栄えやや悪い。刈り込みがおすすめ。 |
ツルニチニチソウ | 日向、半日蔭 | 中 | 半日蔭でも育ち、薄紫の花色は涼やか。斑入り品種は葉も楽しめる。他の花のエリアにツルを伸ばすとまばらに侵入し見栄えが悪い。仕切りなどで区画を分けるのがおすすめ。 |
ヒメツルソバ | 日向・半日陰 | 低 | 長期間花を楽しめるほか、真っ赤に色づく葉の紅葉が素敵。繁殖力が非常に強いため区画の工夫が必須。 |
アジュガ | 日陰や半日陰 | 低 | 日陰で花をつける貴重なグランドカバー。強い日差しや高温多湿に弱く、防草シートとの相性は悪い。 |
防草シートを活用したグランドカバーの育て方
雑草をより効果的に減らしたい方には、防草シートを活用する方法がおすすめです。
以下では防草シートで草を抑えながらグランドカバーを育てる工程を紹介します。
水はけの良い土壌作り

まずは、水はけの良い土壌作りが重要です。
水はけの悪い土壌では、植物が根腐れを起こし、枯れる恐れがあります。
余分な水分を排出できる環境で育てることが、植物の健全な成長に大きく寄与いたします。
防草シート敷き

防草シートがめくれないよう、ピンで固定しながら敷きます。
防草シートの継ぎ目は10㎝以上重ねて敷きます。
植栽位置決め

植栽位置にチョークで印をつけます。
例:芝桜やタイムの場合は50cm間隔がおすすめです。
(2~3年程で防草シートを覆い隠します)
植物の種類によって成長スピードが異なりますので、植える間隔は調整ください。
ただし、成長スピードが遅い品種や早く防草シートを覆い隠したい場合でも植え付け間隔は30㎝までにしましょう。
間隔を細かくしすぎると防草シートの切込みが多くなり防草効果が低くなります。
シートの切り込み

先が鋭角なハサミで、印の部分に1辺が10㎝の逆T字の切り込みを入れます。
植穴掘り・施肥

移植ゴテでポット苗と肥料が挿入できる植え穴を掘り、緩効性肥料と培養土を入れます。
植え付け

苗を植え穴に挿入し、隙間の無いように土を埋め戻し、しっかりと押さえます。
水やり

植え付け後、根元にたっぷりと水を与えます。
上記の方法で植え付ければ、防草シートの雑草抑制効果により、草むしりの手間が大幅に省け、グランドカバーも雑草に負けることなく元気に育てることが出来ます。
また、雑草に被圧されることがないため、裸地に植えるよりも少ない株数で価格を抑えながら効率的に地面を被覆することが出来ます。
グランドカバーのお手入れ方法
次に、グランドカバーのお手入れ方法についてご説明いたします。
定期的な管理
どんなに丈夫で育てやすいグランドカバーを植えても、メンテナンスを怠ると長持ちしません。
次のような管理を定期的に行うことで、グランドカバー本来の美しさを長期間保つことが出来ます。
●水やり

晴天が続く日など、土壌が乾燥してきたらたっぷり水をあげましょう。
気温の高い夏場の水やりは、朝夕の涼しい時間帯に行い、気温が高い時間帯での水やりは枯れる原因となるため避けてください。
●除草

グランドカバーを植えても、隙間から雑草が出てくることがあります。
雑草が出た場合は、小さいうちに手作業で抜き取りましょう。
雑草が大きくなるまで放置するとグランドカバーが雑草に圧迫されて枯れてしまう可能性があります。
●剪定

グランドカバーは、葉が密集すると梅雨や夏場の高温多湿により蒸れてしまい、枯れる原因となります。
適度に刈り込み、風通しを良くすることで健康な生育を促します。特に、冬場に地上部が枯れる落葉性多年草は、花が終わった後に剪定すると春の芽生えも良くなります。
植物の種類によって刈り込み時期が異なります。花芽をつける時期に刈り込むと翌年花が咲かない場合があるのでご注意ください。
●施肥

植物によって最適な施肥時期は異なりますが、追肥を行うことでグランドカバーの成長が促進され、花付きの良い株に育ちます。
●補植・植え替え
植えた苗が枯れた場合は新しい苗に補植しましょう。
枯れたまま放置すると雑草発生の原因になるため、また衰退してきた場合は、植え替えなどで再生を図ることが重要です。
グランドカバーの注意点
最後に、グランドカバーを育てる上での注意点とリスク管理についてお伝えいたします。
前述のように定期的な管理はグランドカバーを楽しむうえで必要不可欠ですが、他にも注意点がありますので、前もって確認しておきましょう。
繁殖力

ヒメツルソバのこぼれ種が一斉に発芽した様子
繁殖力が非常に強い品種は、放置するとお庭全体に急速に広がってしまう可能性がございます。
そのため、繁殖力が非常に強いグランドカバーを植え付ける際は、あらかじめプランターや区画ごとに管理されることをおすすめします。
本記事のおすすめグランドカバーの中では、ヒメイワダレソウやヒメツルソバが該当します。他には、ミントやクローバーなどもご注意ください。
生育環境
土壌の状態や日照条件、水はけの不足にも十分に注意する必要がございます。
環境に合った品種を選び、計画的な手入れを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
定期的な手入れが必須ですので、日常のケアを怠らないよう心がけましょう。
まとめ
グランドカバーの基本的な魅力、選び方、さらに注意すべき点について詳しくご説明しました。
どの品種にも一長一短が存在いたしますので、お庭の環境やご自身のライフスタイルに合わせた選定が重要です。
ここまで解説してきたことを踏まえ、各種グランドカバーの特徴と育て方、さらには管理のポイントをしっかりと理解していただけたら幸いです。
ぜひ、実際のガーデニングに役立て、快適な緑の空間をお楽しみください。