休耕地の雑草対策は必須!雑草が及ぼす被害と今できる対策
休耕地・休耕田とは、作物の栽培を一時的に休止している田畑を指します。
一方、1年以内に栽培予定がなく、今後も栽培の見通しがない場合は、耕作放棄地としてみなされます。
耕地や休耕田などの雑草に悩まされており、この記事をご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
一時的に休耕地としている場合や、今は耕作放棄地となっている場合でも、雑草対策は必要です。
雑草対策を怠り、休耕地の雑草を放置していると、予測していなかった様々なトラブルに発展します。
この記事では休耕地や休耕田をお持ちの方に向けて、雑草対策を怠ることで生じる問題やおすすめの雑草対策方法をご紹介します。
休耕地の雑草対策をしないとどうなる?
冒頭でもお伝えしましたが、休耕地の雑草を放置してしまうと様々なトラブルの原因となります。
まずは、休耕地の雑草対策を怠ることで及ぼす問題についてご紹介します。
雑草の生育範囲が広がる
1つ目の問題は「雑草の生育範囲が広がる」ことです。
雑草は適期になると、次の子孫を残すために一斉に種子を飛散します。
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1つ目の問題は
「雑草の生育範囲が広がる」ことです。
雑草は適期になると、次の子孫を残すために一斉に種子を飛散します。
種子を飛ばす前に処理しなければ、種子から新たな雑草が育ってしまい雑草の繁茂を止めることができません。
雑草の種子は風や水に流されたり人や動物の移動に伴って運ばれたりして、別の場所へと移動しながら生育範囲を拡大していきます。雑草の生育範囲が広がると、あとから雑草を抜いたり、手入れする範囲が広がったりと、本来よりも多くの時間が必要になります。
また、所有地以外へも生育範囲が広がってしまい、他の土地所有者とのトラブルにも繋がります。
不法投棄や交通事故のきっかけとなる
2つ目の問題は「不法投棄や交通事故のきっかけになる」ことです。
雑草の種類によっては草丈が人間の腰丈から身長程になり、かなり見通しが悪くなります。 見通しが悪いと、ゴミを捨てても気づきにくいため、ゴミを捨てる人は捨てやすく周りは注意しづらくなります。 |
2つ目の問題は「不法投棄や交通事故のきっかけになる」ことです。
雑草の種類によっては草丈が人間の腰丈から身長程になり、かなり見通しが悪くなります。
見通しが悪いと、ゴミを捨てても気づきにくいため、ゴミを捨てる人は捨てやすく周りは注意しづらくなります。
または、休耕地にわざと投棄されたものでなくても、飛ばされてきたゴミが雑草に絡まって溜まっていきます。
このようにゴミが休耕地に溜まると、ゴミの処分にも労力と費用がかかります。
さらには、雑草対策を怠ることで、交通事故を引き起こす可能性もあります。
休耕地からはみ出た雑草を避けようとしたり、雑草の影に隠れて見えなかった動物や人間が飛び出したりすることがあり危険が伴います。
このように、意図していなくてもゴミの不法投棄や交通事故を助長してしまうのです。
害虫や害獣の住処となる
3つ目の問題は「害虫や害獣の住処となる」ことです。
休耕地の雑草が生い茂ることで、植物を食い荒らす害虫が発生し、近隣の田畑や住宅に飛んでいって作物への被害が広がります。 加えて、作物に被害を及ぼす害虫だけではなく、人間に有害なダニや蚊なども発生します。 |
3つ目の問題は「害虫や害獣の住処となる」ことです。
休耕地の雑草が生い茂ることで、植物を食い荒らす害虫が発生し、近隣の田畑や住宅に飛んでいって作物への被害が広がります。
加えて、作物に被害を及ぼす害虫だけではなく、人間に有害なダニや蚊なども発生します。 ダニや蚊は病原菌を保有している場合があり、咬まれると感染し発熱するなど人間に直接的な被害を及ぼします。
また、アライグマやイノシシなどの害獣にとって好都合な隠れ場所であり、山から里に降りてきやすくなります。
里に降りてきた害獣は、実った農作物を荒らし、住居に侵入して人間に危害を加えることがあり大変危険です。
細菌やウイルスの温床となる
最後の問題は「細菌やウイルスの温床となる」ことです。
風通しが悪くジメジメした雑草の茂みは、細菌やウイルスが発生しやすい環境となっています。 雑草が生い茂った休耕地の近隣に暮らしている方の環境も、衛生的に良いとは言えません。 |
最後の問題は「細菌やウイルスの温床となる」ことです。
風通しが悪くジメジメした雑草の茂みは、細菌やウイルスが発生しやすい環境となっています。
発生したカビや病原菌は近隣田畑へ拡散され、農作物に感染してしまいます。
特に水稲への感染が顕著に見られます。感染が次から次へと水田に広がれば、農作物の大きな減収へと繋がります。
雑草が生い茂った休耕地の近隣に暮らしている方の環境も、衛生的に良いとは言えません。
このように、雑草対策を怠ると近隣住民や農作物に影響を与えるようになり、トラブルへ発展しやすくなります。
休耕地の所有者が誰なのか周知されていない場合、行政機関に通報されるケースもあるためしっかりと管理しましょう。
休耕地に適した雑草対策とは?
休耕地を放っておくことで起こりうる様々な雑草トラブルについて挙げましたが、どのような対策をすればよいのでしょうか。
雑草対策の方法はいくつかありますが、どの方法にも一長一短があります。
雑草対策をしようとしている土地や状況によって、最良の方法を選ぶことが重要です。
まずは、いくつかの雑草対策方法をご紹介します。
機械で刈る・トラクターで耕す
刈払機で草刈りをする、あるいはトラクターで根ごと耕して雑草を撤去する方法です。
トラクターで耕す場合、草丈が20cm以上あると耕しにくいため、事前準備として刈払機で刈っておくのがポイントです。 雑草の種や根は土壌に残るためすぐに雑草が生えてきますが、短期的な雑草対策として有効といえます。 |
刈払機で草刈りをする、あるいはトラクターで根ごと耕して雑草を撤去する方法です。
トラクターで耕す場合、草丈が20cm以上あると耕しにくいため、事前準備として刈払機で刈っておくのがポイントです。
雑草の種や根は土壌に残るためすぐに雑草が生えてきますが、>短期的な雑草対策として有効といえます。</span
とはいえ、トラクターで耕うんしたことで柔らかくなった土壌は雑草にとっても最高の環境。
年に1回では、雑草が生長するペースに負けてしまうので、雑草の生長速度が増す夏には月に1回程度の耕うんが必要です。
その度に労力や時間、燃料費などはかかりますが、手軽に雑草を除けるので実践しやすい雑草対策となります。
除草剤を散布する
除草剤とは、植物が持つ生体内成分に作用して枯死を促す薬剤です。
しかし、枯死させたい雑草によって除草剤の種類や用法、希釈倍率が異なります。 除草剤を使うときには、使う除草剤の取扱説明書を確認し、定められた使用方法を正しく守りましょう。 また、雑草の根まで枯らすタイプの除草剤もありますが、地力を弱める可能性があるため休耕地には注意が必要です。 |
除草剤とは、植物が持つ生体内成分に作用して枯死を促す薬剤です。
しかし、枯死させたい雑草によって除草剤の種類や用法、希釈倍率が異なります。
除草剤を使うときには、使う除草剤の取扱説明書を確認し、定められた使用方法を正しく守りましょう。
また、雑草の根まで枯らすタイプの除草剤もありますが、地力を弱める可能性があるため休耕地には注意が必要です。
その他にも、除草剤は「農薬登録」があるものとないものに分けられています。
管理されている植物がある場所で、農薬登録のない除草剤を使用することは農薬取締法によって禁止されています。
農薬登録のない除草剤については「農薬として使用できない」ことを表示する義務付けがあるので、購入の際には製品の容器や包装の表示を確認してみてくださいね。
また、農薬登録のある除草剤を正しく使用したとしても、農作物への害の有無に関わらず良く思われないこともあります。
近隣の方との認識の違いから悪評を流されないようにも注意しましょう。
グランドカバープランツを植える
グランドカバープランツとは、地表を這うように横へ横へと生育する植物です。
河川敷や農地での雑草対策のほか、傾斜地の増強や、個人敷地でも園芸植物として育てられます。 グランドカバープランツは、シバザクラやクローバー、クラピアなど多種類ありますが、いずれも草丈が低く地表を這うように覆い広がることで雑草が生える面積を減らすことができます。</span |
グランドカバープランツとは、地表を這うように横へ横へと生育する植物です。
河川敷や農地での雑草対策のほか、傾斜地の増強や、個人敷地でも園芸植物として育てられます。
グランドカバープランツは、シバザクラやクローバー、クラピアなど多種類ありますが、いずれも草丈が低く地表を這うように覆い広がることで雑草が生える面積を減らすことができます。
さらには、育った植物をトラクターですき込むことで緑肥となり、健康的な土壌を保持する効果もあります。
グランドカバープランツではありませんが、コスモスや菜の花も緑肥として有効です。
ただし、いずれも雑草と同様に種子をつけて増え広がるため、種子の飛散や害虫によるトラブルは防ぎきれないことがあります。
種子をつける前に土壌にすき込むなど、植物の管理の仕方で予防できます。
防草シート・除草シートを張る
防草シートは、雑草の生育に必要不可欠な「水・光・空気」のうち、光を遮断して雑草の生育を阻止します。
透水性のある防草シートを選ぶと、雨水はシートを通って土壌に浸透するので土がやせてしまう心配はありません。 防草シートを購入して敷く施工手間は必要ですが、シートの耐久年数によってはその後の定期的な維持費や管理手間を大幅に軽減できます。 |
防草シートは、雑草の生育に必要不可欠な「水・光・空気」のうち、光を遮断して雑草の生育を阻止します。
透水性のある防草シートを選ぶと、雨水はシートを通って土壌に浸透するので土がやせてしまう心配はありません。
防草シートを購入して敷く施工手間は必要ですが、シートの耐久年数によってはその後の定期的な維持費や管理手間を大幅に軽減できます。
しかし、地下茎にエネルギーを蓄えるタイプの雑草は、光を遮断しても地下茎に残ったパワーを使って生長することがあります。
そのような場合は、除草剤を使用し、雑草を枯らしてから防草シートを敷くとそういった雑草にも対応することができます。
休耕地におすすめの雑草対策を紹介しましたが、そのほかの雑草対策についてこちらの記事でも紹介しています。
一般的に知られる雑草対策方法について、メリットやデメリット、注意点を解説しています。
労力と費用を抑える!休耕地の雑草対策にはコレ
ここまで、休耕地で実践できる雑草対策についてお伝えしてきました。
使わない畑や田んぼであるなら、日頃からあまり手間をかけずに効率よく除草を済ませたいですね。
ご紹介した中でも特に、1回の労力で長期間の防草効果を期待できる「防草シート」は休耕地の雑草対策におすすめです。
とはいえ防草シートにも、織布や不織布というように構造の違いがあり、適応できる雑草の種類が異なります。
耐久年数もそれぞれなので、当初防草シートに期待していた効果が得られなかった!という例もあります。
雑草を抑えたい休耕地の場所や今後の計画によって、最適な防草シートを選択することが雑草対策の近道となります。
管理しつづける労力と費用を抑え、周辺環境のことまで考慮した休耕地を目指せます。
下記のページでは、防草シートの選び方についてご紹介しています。
休耕地以外の雑草対策にも活用できますので、雑草にお困りの方はぜひご覧ください。